ローカル環境にDrupalをインストールしよう 〜Mac編〜

この記事ではDrupalをローカル環境(お手元のPC)にインストールする手順をご紹介します。

この記事を読むとわかること

  • Drupalの動作要件
  • ローカル環境の活用方法
  • ローカル環境へのDrupalのインストール手順

今回はDrupalをお手元のPC環境で実際に動かせるようにするまでの手順を画像付きでどこよりも詳しくお伝えしていきます。

ローカル環境は本番環境(=WEBに公開されていて誰でもアクセスできる環境)と違い、動作検証や開発を自由に行える環境です。
そのため万が一トラブルが発生してもほかの方へ影響しないため、機能開発や検証の際には必ず利用されるものです。

なお今回はMac OSを使用している前提で手順をご紹介します。
Windowsでの手順は後日別の記事でご紹介しますm(_ _)m

また今回の記事ではDrupal10を使用します。

目次

Drupalとは?

DrupalとはPHP製のオープンソースのCMSです。詳しくは以下の記事をご覧ください!

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Drupalの動作要件

Drupal10を動作させるための要件は次の通りです。

WEBサーバーApache 2.4.7以上
Nginx 1.1以上
データベースMySQL 5.7.8以上
MariaDB 10.3.7以上
Percona Server 5.7.8 以上
PostgreSQL 12以上
SQLite 3.26以上
メモリ最小1GB
※ライブラリを管理するためのComposerを使用するために必要です。
PHP8.1以上
8.1.6を推奨
最小64MBのメモリが必要

ローカル環境の活用方法

冒頭でもご紹介した通り、本番環境とは違いローカル環境はインターネットに公開することを目的としません。
そこで一度ローカル環境の活用方法についてご紹介します。

本番環境に影響なく動作検証ができる

WEBサイトやシステムを運用していると、既存不具合の調査や新機能追加のための検証などが必要なケースがあります。

そこで本番環境をしてしまうと万が一操作ミスをしてしまった場合にシステムやサイトが停止してしまう恐れがあります。
そうなってしまうとサイトやシステムを使うエンドユーザーに悪影響を及ぼしてしまいます。

そのようなことを防ぐために本番環境に影響させずに調査や検証をできるようにするための環境がローカル環境です。

基本無料で環境を使用できる

本番環境と同等の環境を用意するには、
システム構成にもよりますがサーバーやデータベースを再度調達するためには料金も必要になります。

今回ご紹介する手順を使えばクラウドサービスのサーバーやデータベースを調達することなく、
無料で環境を構築することができます。

そのためコストを抑えて検証や調査が可能になります。

ローカル環境へのDrupalインストール

いよいよローカル環境にDrupalをインストールしていきます。
今回はDDEVと呼ばれるDrupalの仮想環境を簡単に作成できるツールを使用していきます。

Homebrewのインストール

DDEVを使うためにはHomebrewと呼ばれるコマンドラインの管理ツールが必要です。
最初にこちらをインストールします。

ターミナルで以下のコマンドを実行します。

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

Dockerのインストール

次にDockerクライアントをインストールします。

ターミナルで以下のコマンドを実行します。

brew install docker

Docker Desktopのインストール

Dockerで作成したコンテナをGUI上で管理できるようにするためにDocker Desktopをインストールします。

Mac用のダウンロードをクリックしてダウンロード・インストールします。

DDEVのインストール

DockerをインストールできましたのでDDEVをインストールします。
DDEV公式ページの手順を参考に進めていきます。

ターミナルで以下のコマンドを実行します。

# Install DDEV
brew install ddev/ddev/ddev

# Initialize mkcert
mkcert -install

実行完了したら以下のコマンドでインストールできているか確認します。

ddev -v

「ddev version v1.21.6」のようにバージョンが表示されればインストール成功です。

Drupalプロジェクトの作成

DDEVではプロジェクトと呼ばれる単位で環境を構築していきます。

任意のディレクトリを作成し、作成したディレクトリに移動します。

mkdir first-drupal
cd first-drupal

ddevを使ってDrupalをインストールします。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。

ddev config --project-type=drupal10 --docroot=web --create-docroot
ddev start
ddev composer create "drupal/recommended-project"
ddev composer require drush/drush

これでDrupalのソースコードが揃いましたのでブラウザでアクセスしてインストールを進めます。
ターミナルで以下のコマンドを実行します。

ddev launch

Drupalのインストール

ここからはブラウザからインストールを進めていきます。

最初に言語を選択します。
日本語を選択してSave and continueをクリックします。

インストールプロフィールは標準を選択します。

サイトの環境設定ではサイト名やサイト管理者のメールアドレスを設定します。
必須項目(赤い*のついている項目)を入力します。

ようこそと書かれたトップページが表示されればインストールは完了です!

警告への対応

インストールは完了しましたが警告が表示されていますので解消していきます。
ページ上部のメニューよりレポート > サイトの状態にアクセスします。

サイトの状態で警告を確認します。

私の環境では以下の警告が確認できました。

  1. PHP:It is recommended to upgrade to PHP version 8.2.0 or higher for the best ongoing support. 
  2. 更新の通知:更新の通知が有効になっていません。
  3. 構成ファイル:ファイル sites/default/settings.php は変更に対して保護されていないため、セキュリティー上の危険性があります。

これらの警告を解消していきます。

PHPのバージョン変更

PHPのバージョンを8.1.13から8.2系にバージョンアップしていきます。

.ddev/config.yamlを修正します。

// 修正前
php_version: "8.1"

// 修正後
php_version: "8.2"

修正後下記コマンドでプロジェクトを再起動します。

ddev restart

PHPの警告が消えていれば対応完了です。

更新の通知の有効化

警告のメッセージにあるモジュール管理ページのリンクをクリックします。

拡張ページでUpdate Managerを検索してインストールします。

サイトの状態に再度アクセスして警告が消えていれば対応完了です。

構成ファイルの書き込み無効化

書き込みを無効にするようメッセージでは促されていますがローカル環境では書き込みが可能でも問題ありません。
そのためローカル環境上ではこの警告を非表示にするよう対応していきます。

web/sites/default/settings.ddev.phpを開き、以下の通り修正します。

# 修正前
$settings['skip_permissions_hardening'] = TRUE;

# 修正後
$settings['skip_permissions_hardening'] = FALSE;

サイトの状態に再度アクセスして警告が消えていれば対応完了です。

さいごに

今回はローカル環境へのDrupalインストール方法についてご紹介しました。

これからDrupal導入や開発を検討しており、動作検証や機能確認をしたい方はぜひ今回の記事を参考に触ってみてください。

Windowsでのローカル環境構築も後日ご紹介いたします。

このブログでは今後もDrupalをはじめとしたWEB開発に関する記事を掲載していきますので、
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